Topトップへ

北海道北見市「食&観光」ガイド オフィシャルWEBサイト

vol.04 “経木わっぱ”づくり現場レポート! - 北見MYLOVE 北海道北見市 観光グルメスポット オフィシャル WEBサイト

vol.04 “経木わっぱ”づくり現場レポート!

ふだんは見れないあの場所へ

北見市留辺蘂エリアは、明治期の原始林開拓から現在まで、林業・木材加工が盛んな地域。
大正9年に森林鉄道が敷設されてから昭和35年に廃止されるまで、
北見管内で一番古い歴史を持つ森林鉄道が原木を輸送していました。

その留辺蘂で、温かな手触りのまあるい木の入れ物と出会いました。
“経木わっぱ”と呼ばれる木の器を、みなさん知っていますか?
昔は、お弁当の器として日常的に使用されていたそうです。
現在では、駅弁やスイーツの入れ物として使われているのを見かけます。

木材加工が盛んな留辺蘂で、食べ物の器として長い歴史を持つ
“経木わっぱ”づくりの工場をぐるりと見学してみましょう!

こんにちはとおじゃまして、まず目に飛び込んできたのは、ふと~い太い丸太!
ここにあるのは樹齢200~250年ほどの木とのこと。
凍えるような寒さの中、黙々と樹皮をむいていく作業をしていました。

そして、樹皮をむいた丸太がこちら。
木肌が見えました。
さて、ここからどうなるのか…。

短く切られた太い丸太を発見!
あちこちに斧が見えます。他にも道具があります。手仕事なんですね。
写っている職人さん6人分もあろうかというほど太い丸太が、次々に割られていきます。

木が薄くなるのはいつ?と思いながら歩いていたら、ここで登場!
ものすごく大きな電動の鉋(かんな)です。
手の力の入れ加減ひとつで、でき上がりが左右されるそうです。
長年の感覚なのですね。職人技です。

このあたりの工程から、女性がぐんと増えてきました。
薄く削られた木を重ねています。
1枚ずつは薄くても、これだけの枚数を重ねると結構な重さになりますよね。

水分を含んだ木は反ってしまうので、水っけを蒸発させるため、
このように、棚にずらりと並べて乾燥させます。
橙色の灯の下に薄い木の板がズラリと並ぶ光景は、なんだかとても絵になります。

こちらは、乾燥し終わった経木たち。
山盛りに積まれています!
ここから、あの愛らしい形の“経木わっぱ”に変身していきます。

わっぱの寸法に裁断した経木を、くるりとカールさせる機械。
やり慣れている人でなければ、難しそう…(汗)

カールした経木を輪に留める作業。
指先が器用で持久力があるという、女性ならではの特徴が発揮されているそうです。
ちなみに、新商品のアイデア等を考えるときも女性の感性や
生活目線の発想力が素晴らしいと、同社の社長さんが教えてくれました。

食べ物に触れても口に入っても安全・安心な糊でフタの側面とうわ板をくっつけます。
女性が担当していることで、
フタや底の接着部分が丁寧な仕上がりになっているのも特徴のひとつ!

こちらはフタと入れ物が合うか、おかしなところはないか、
熟練したプロの目と手がビシッ!と最終チェック。
検品作業も女性ならではの丁寧さがあり、生産性を考えながら取り組むことで
取引先からの苦情が少ないそうです。

挨拶をするとみなさん笑顔で朗らかですが、
木と向き合っているその姿は、居住まいを正してしまうほどの厳粛さ。

ここで現場を後にして、経木のお話を聞きに移動です。
おじゃましました!

“経木わっぱ”づくりの現場におじゃました場所は、
留辺蘂で経木や経木製品、木製容器を長年つくり続ける(株)中村経木さん。
経木は、森林鉄道が現役で走っていた昭和25年から製造しているそうです。
中村社長から経木についてお話をうかがいました。

経木の歴史は聖徳太子の時代にまで遡るそうです。木材を縦に薄く切り、
お経などを書くのに使用した板が“経木”と呼ばれるようになりました。
朝廷への献上物を載せる台敷きとしても使われていたそうです。
経木の器は、経木折箱と言われ、いろいろな種類やサイズがあります。
今回は、薄い経木1枚を丸くしてつくる“曲(まげ)わっぱ”にスポットをあてました。

自然のものからつくられた入れ物の“経木わっぱ”は、
見た目がかわいいのみならず、機能性も優れています。
温かいご飯を“経木わっぱ”に詰めると、
ご飯から出てきた水分を少しずつ吸収しながら、器の中身をほどよく保湿してくれます。
おかずやご飯が、水滴でベチャベチャにならずにすむのです。
汁気のあるおかずは、下にカップを敷けば大丈夫!

手づくりのお菓子や石けん、雑貨などを入れるプレゼント用の入れ物としても重宝します。
いろいろな大きさを、小物の収納に使うのも便利。
手から手へ、気持ちを届けてくれる“経木わっぱ”。

道産エゾマツやカラマツの木でつくられた、ほっこりした温もりと、ほのかな木の香りを、
暮らしのなかに添えてみませんか?

同社で購入できるほか、温根湯温泉エリアの果夢林ショップで購入することができます。

取材・撮影協力

(株)中村経木
北海道北見市留辺蘂町栄町12
TEL / 0157-42-2169
【定休日】日曜、祝日、年末年始