ホタテ王国 常呂で採れるホタテは地域の宝
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おいしいホタテの大事な歴史
ホタテ養殖発祥の地である常呂エリアはオホーツク海とサロマ湖に面し、日本有数のホタテ水揚げ量を誇ります。自然も人もみんなが豊かになり「循環する漁業」をつくろうとの想いを胸に、常呂の先人達が苦労を乗り越えたからこそ、日本のみならず世界にも認められる品質の高い安定した生産量のホタテが生み出されています。
現在も常呂の漁師さんの志は変わることなく、家族の協力の元、オホーツクの山や川のほとりに木を植え、全ての源となる森をつくり育て守りながら大切な海の資源を育み、未来へつないでいます。
常呂漁協が取り組む「育てる漁業」があるからこそ、
北見の食は、より豊かになる
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日本有数のホタテ水揚げ量の理由
常呂が「ホタテ王国」と呼ばれる背景には、ホタテを育てて守る常呂漁協・サロマ湖養殖漁協の、長年にわたる努力があります。
1929年、サロマ湖とオホーツク海をつなぐ湖口を開墾した際に、海水が一気に湖内へ流れ込み、サロマ湖内の海水性が強まり、常呂町栄浦に生息していたカキが激減。問題解明の際、カキにホタテの稚貝が付いているのを北海道水産試験場の技官が発見し、これをホタテの養殖に活用できないかと立ち上がったのが常呂漁協です。1933年から、専門家や漁業者の「厳しい冬を乗り越える大きなホタテの育て方」の試行錯誤が始まり、それから長い歳月を経て、「輪採制種苗放流漁業(4輪採)」をついに確立。約40年をかけて、1970年代には安定した漁獲量を確保できるようになりました。
その養殖方法は、サロマ湖内で独自の方式(垂下式養殖技術)によりホタテの稚貝を1年間育てた後、オホーツク海に地まき放流し、膨大な量が水揚げされる「オホーツク海産ホタテ貝漁」と静穏なサロマ湖で育てた「サロマ湖産ホタテ貝漁」の2種類。ホタテは合計4年間、「海の畑」で成長し、4歳になったホタテが水揚げされます。この技術を惜しみなく全道・全国へ伝えたのが常呂漁協です。また、サロマ湖に面する常呂町、佐呂間町、湧別町の3漁協は、サロマ湖養殖漁協を設立し、大切な漁場であるサロマ湖をみんなの共有財産として資源管理しています。
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常呂の母ちゃんごはん
常呂エリアで募集したレシピ100以上!厳選50品掲載
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トコロたべものプロジェクト
常呂エリアの農家へ嫁いだ農業未経験の女性向けに開催されたフォーラムに参加したお嫁さんたちが、「もっと農業を学び、良いものを作ろう!」と盛り上がり、1995年に結成したのが女性農業者グループ「ところよめさんねっとわーくさくらちゃん」です。「農業・食・いのち」をテーマに、地産地消の素晴らしさを伝える活動をしており、2012年からは地元で開催されるジュニアカーリング大会会場で常呂の農家さんや漁師さんから直接仕入れた食材を使い、子供たちへ温かなワンコイン料理を提供する「かあちゃん食堂」をスタート。料理が好評なこともあり、地元で昔から食べられ受け継がれてきた味を子供たちや若いお母さんたちに伝えたいとの長年の思いが結実し、レシピ本ができました。
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料理は全てメンバー自ら
調理・撮影した手作りの1冊。
販売/ところ・しんや直売店貝の蔵、町内書店ほか